・チャイハネ・ひすいろう 十九・

アッサラーム・アレイコム
ご機嫌、如何でしょうか。本日はお暑いところ、お買い上げ下さり、または
立ち寄ってくださって本当にありがとうございます。
当方、マイナーなイスラーム文化(建築)のサークルでございます。
以前は歴史のすみっこで細々とやっておりました。最近はもっぱら
旅行で参加させていただいております。よろしければどうか、
しばし、おつきあい下さいませ。
今年も暑いですね。またまた連日33度。猛暑です。
勘弁してほしいものです。すっかりバテております。

★さて今回の新刊は『ペルシア遊記』2…と行きたいところでしたが、
去年のペルシア旅行記になってしまいました。
いきなりすっとばして。では何巻目になるの?
…えーと、予定では2がペルセポリス編、3〜4が2度目…。
ということは5巻目?
でも私のことだから、書いてみないとわからないんです。どうなるか。
で、予定は未定なので2007年編ということにしました。すみません。
しかも『ペルガモン本』みたいに1冊にするつもりが、またもや増えて
収拾がつかなくなってしまいました。写真も本文も…。
でも本当は『ペルシア遊記1』や『シリア遊記』のようにじっくり書き込みたいんです。
でもそれだと、いつ仕上がるか…、てことになるのは目に見えているので、
とにかく速報編として作ってみようと画策したのでした。
でもそれもなかなか上手くいかなくて…、すみません。
結局3分冊。写真も削りに削って各10ページ。今回、表紙に少し(私としてはかなり)
手をかけてみました。
いかがでしょう?
いつもように表紙、イラストは亜神さん、地図はそうさいこうかの中原さん、
ありがとうございましす。中原さんは今回、服装や料理も描いていただきました。
素敵な地図とイラストをありがとうございました。
亜神さんのレザー廟とゴウハルシャードモスクには素晴らしい出来で
とっても嬉しいです。(資料集めには苦労させられましたが)

そしてやはり、いつもお世話になっているのが、中近東文化センターの図書室、
すごいです。今回もマシュハドのレザー廟、ヤズドの旧市街、
ケルマーンのバーザールの資料を見つけて、狂喜乱舞しましたよ。

それからもう一つ。ペルシア語がやっと少しだけ、読めるようになりました! 
今まで、どうしても模様にしか見えなかったペルシア文字が、
なんと文字として見えるようになったんです! 自分でも驚きです。
まだまだですけどね。

★実は、今年もペルシアに行ってきました。去年が最後かと思っていたら、
まだ、大丈夫そうなので、行かれるうちにと、行ってきました。
だってニュースを見ていると、そのうち、行けなくなりそうなんですもの。
これまた、念願のタフテ・スレイマーン、スルターニェ。スーサやカスレ・シーリーン、
ゴンバテ・カーブースは無理でしたが。(ペルシア、広すぎです。
とても一度ではいかれません〜)
 それからサミラン砦跡、クルヴェ、タケスタン、ハラカン、マラーゲ、タブリーズ、
アルデビール。又々、無茶苦茶欲張ってしまいました。
確か、今度こそ、間に2日フリーを入れたはずなのに…、どうして?
 かくして久しぶりに現地でダウンしてしまいました。
 でも今回ははじめての日本語ガイド! しかもこれまた優秀! 
いやあ、すごく助かりましたよ。仕事熱心な人で、よく私のわがままに
つきあってくれたと思います。
 ところで。向こうに居る間に去年、バム近くで誘拐された日本人学生が
無事、解放されましたね。
彼、私が去年、帰ってきた直後に誘拐されたんですよね。びっくりしましたよ。
で、よく、聞いてみたら、バムではなく、バムの手前の町だったそうです。
しかもバムは大丈夫だけど、バムを過ぎて、パキスタンまでは、昔から、
麻薬関係で危ない地帯なのに、バックパッカーのルートになっているということでした。
 すぐにパキスタンに連れ去られたというのに、解放されて、
テヘラーンまで来たという話です。
 そのせいかどうか、最近、個人でビザを取るのが難しなってきたそうで、
今回、もうギリギリ3日前だったんですよ。もう駄目かと思いましたよ。

 でも今回は色々、予想外の発見も沢山ありました。
まず、スルターニェの付近にある龍の浮き彫り(ダシュ・カサン)、
マラーゲにあったモンゴル時代の天文台跡、
タブリーズにあったモンゴル時代の大学都市跡、
標高2千m級の高山に咲いていた野性のバラ。珍しい高山植物。
テヘラーンの地図専門店。
 そして美味しい壺焼き。
 服装は去年より華やかになっていました。
 そして私はまたまたイラン人よりイラン人らしい恰好と褒められ(?)ました。

★ドバイの免税店が進化していたのにも驚きましたねぇ。
本屋ができていて、欧米のブランド品もヨーロッパレベルの品揃え、
去年は手抜きものしか置いていなかった民族衣裳や民芸品売場が、
レベルアップしてました。かわいいラクダの置物や絨毯柄の栞、民族衣裳も
ついつい買ってしまったではないですか。

★最近、いつも心配なのは、空港のX線検査。どんどん強力になってきて、
ついに日本も。さすがに羽田やイランはまだ大丈夫らしいのですが、
それでも心配は心配。
せっかく撮ったフィルムが駄目になるのは、哀しいです。
 で、保険をかけるためにデジカメに手を出してしまいました。
ついに買ってしまいました。新しいの。
デジタル一眼レフを検討したのですが、私が使う広角側が弱いので、パス。
今更ながら、ニッコールレンズ20mmの威力に脱帽です。
これに匹敵するレンズがないんですもの。
 で、コンパクトタイプで広角レンズを付けられるという奴にしました。
ニコン・クールピクスP5100(23・5mm相当)とリコーGRデジタル・(21mm相当)と。
どちらにしようか、散々迷ったあげく、ニコンにしました。
ところが、アダプターリングを探していたら、なんと、リコーの中古に出会って
しまいました。つい、いきおいでこれも出に入れてしまいましたが、
結局、これが幸いしました。
 だってニコン、2日目に壊れてしまったんですもの。
 もう一つ持っていって、本当に良かった!
 リコー、大活躍でした。

★最近読んだ本でお勧めなのが、ディヴィット・フロムキン『平和を破壊した和平』
(上・下 紀伊国屋書店)。
第1次大戦前夜から第2次大戦まで、中東がどうしてこうなったか、
公開資料を駆使して、謎の裏側を丹念に繙いて、壮大なドラマに仕上がっています。
読みごたえがありすぎて、読むのが大変でしたが、
冒険小説みたいに面白かったです。

★マンガでは『海皇記』『ヘルプマン』『ズーキーパー』『へうげもの』、
河原和音さんにはまっています。
 『海皇記』の人、格闘技ものも面白いけど、海洋ものの方が好きですね。
『ヘルプマン』、介護マンガなのですが、どうしてこんなに面白いんでしょう。
この人の『ラブリ〜』も面白かったです。
『ズーキーパー』、温度差が見える、動物園の飼育員の話。けっこう好きです。
『へうげもの』、古田織部の話。とっても面白いです。
 河原和音さんは古本屋でセールになっていた『先生』を一冊買ったら、
はまってしまいました。『高校デビュー』も雑誌連載、追っかけてしまいましたよ。

★去年取材で行った美術館。雪舟の郷記念館(島根)、
 昔から好きだった雪舟が、もっと好きになりました。
作品もすごいけど、地元の人の愛情もすごい。こんなに何百年も愛されているのに、
感動しました。
 手塚治虫記念館(宝塚市)、前から気になっていた所。
ここも凄かったです。皆の愛情がいっぱい詰まっていました。
 白沙村荘・橋本関雪記念館(京都)、あんまり知らないで出かけたのですが、
一目で好きになりました。市中にありて、山居にすむ。
隔絶されたような緑の楽園が素敵でした。
 入江泰吉記念・奈良市写真美術館、この人の写真で奈良・大和路を好きになった
私としては、感慨深いものがありました。
 菱川師宣記念館(千葉)、ここも新たに好きになったところです。
よく知らなかったのですが、細密画のような上手さに圧倒されました。
 横山大観記念館(東京)、ここも都会のオアシスのような場所で、素敵でした。
 入江一子シルクロード記念館(東京)、平山郁夫氏より、各国を巡っているという
女流画家の情熱に脱帽でした。
『日本全国ユニーク個人美術館』東日本編・西日本編(新人物往来社)に
書かせていただきました。私以外にも面白い所が沢山紹介されているので、
本屋か図書館でみかけたら、覗いてみてください。

★こちらは個人的に行った所。食玩で一斉を風靡した海洋堂のミュージアム(滋賀)、
流石でした。凝りに凝ったディスプレイに感動。
 所蔵品展をやるというので、再び行ったミホミュージアム(滋賀)。
中東ものはやっぱり凄いです。それ以外もすごかったです。

★ 映画、やっと見ました。『どろろ』面白かったです。
『ゲゲゲの鬼太郎』も。よくできてますねぇ。
 それから『ゼブラーマン』。おかしかったです。
『ガメラ〜小さき勇者たち』。泣けました。
『クイーン』。悩める女王さま、よかったです。

★最後になりましたが、ぜひご意見などを聞かせてください。手さぐり状態なので。
それでは、だんだん先のことがわからなくなってきていますが、
またお会いできますように。
インシャッラー。                                    2008年8月




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