・チャイハネ・ひすいろう 十八・
アッサラーム・アレイコム
ご機嫌、如何でしょうか。本日はお暑いところ、お買い上げ下さり、
または立ち寄ってくださって本当にありがとうございます。
当方、マイナーなイスラーム文化(建築)のサークルでございます。
以前は歴史のすみっこで細々とやっておりました。最近はもっぱら旅行で参加
させていただいております。
よろしければどうか、しばし、おつきあい下さいませ。
今年も暑いですね。またまた連日35度。3年ぶりの猛暑?
勘弁してほしいものです。
すっかりバテております。
★さて今回の新刊は『不動産屋が教えてくれた家探しの秘密−書庫を作るために
その2』でございます。お待たせいたしました。ようやく完結編とあいなりました。
書いていて、これは3冊くらいになるなあ…と思っていたのですが、
だんだん気力と体力に自信がなくなってきて、ここで仕上げなければ、もう
書けなくなるような気がして、必死に追い込みをかけました。
それで2冊分を無理やり詰め込んだ感じになってしまいました。
(いやあ前回も製本には苦労しましたが)
今回は98年冬〜99年秋(〜契約編2)までと2004年秋〜2005年春
(実践編3〜)まで。
途中2001年にも探したんですが、この時は全く収穫なしでした。
紹介したいような面白いものもありませんでした。
ようやっと納得のいく家にめぐり合えたわけですが、なにせ古い家なので、
課題は沢山あります。直す所や変更したい所はいくつも。
そのうち修理編とか改装編なんかができるかもしれませんね。
★最近書庫については、哀しくなるような話ばかりテレビで見るのは私だけでしょうか。
某TV番組で、本棚を作った話などでは、なんと床下ですよ、床下! 信じられません!
野菜やお米や季節ものの服と勘違いしているのでしょうか。
あまりに情けなくて呆然としました。
作った人がいかに本好きではないかがよくわかりました。
それから物を整理するという番組や本でもやはり真先にやり玉に上げられるのが本。
「まず本を整理して捨てましょう」
何?
この人達も本が嫌いなのね。なんと恐ろしいことを…。
私の親の口癖でもありましたが、私などは必死に抵抗してきたものです。
某建築探訪の番組でも、どの家にもホントに本棚がないですねえ。
信じられませんでした。これにはショックでした。
これほど本を読まなくなっているのかと、愕然としました。
こんなに本が邪魔者扱いされているなんて…。
不動産屋や設計士さんにいくら説明しても、なかなかわかってもらえなかったわけです。
★書きおわってから、ふと思い出して井形慶子さんの本を読んでみました。
この人が低予算でイギリス風の家を建てたという話を思い出したのです。
う〜ん…、凄いですね。この情熱。これくらいの情熱がなければ、
自分の思うような家は建てられないでしょうね。いやあ感動しました。
私も昔はイギリスやスペインに移住することを考えた時期がありました。
でも何度か訪れて、現地の人や生活を知るにつけて、
やっぱり自分は日本にしか住めないと思い知らされたものです。
それでもイギリスやスペインの家もいいなと、今でも思うこともあります。
でもそれと同じくらい、自分は古い伝統的な日本家屋が好きだということも
わかりました。
イギリスの友人はなんと二百年も前の家に住んでいました。
いつも家を直しているという話を聞きます。いいですねえ。羨ましいです。
間取りに関しては、マンションなら3回も引っ越したので、
好みははっきりしてきましたが、一戸建ては久しぶりなので、まだよくわかりません。
でも日当たりや風通しが悪いマンションで苦労したことがあるので、
それにはこだわりました。
マンションもそうですが、新築の戸建ても、業者の都合で決められたデザイン、
住み心地を無視した間取りは本当に多かったです。うんざりするくらい。
★最近、3度目の家をやはり低予算で建てたという人とも再会して、改めて、
家を建てる大変さを実感しました。
さすがに3度目ともなると、実費が分かっているという強みもあったようです。
なんと地下室付き地上3階建てを建ててしまったんですね。
今度この人の話も紹介したいくらいです。
彼女はドアノブやタオルかけなど、スペインに行って買ってきてました。
あちらの方が安くて素敵なものが沢山あるとのこと。そういえばそうですね。
その話を聞いて、というわけではないのですが、
私もトルコやチュニジアで思わず買ってしまったタイルがたまっています。
そのうち、水回りに飾りたいと思っています。
★今年はやっと行けました。十年ぶりのイラン!
ぎりぎりまで、いや、行ってからもひやひやしましたよ。
何せ、核開発問題で揉めている時ですから。
でもとにかく無事に帰って来られて安心です。
今回は途中、風邪をひいたのですが、治ったし、お腹も壊さず、怪我もせず、
筋肉痛にもならずに帰ってこれました。
が、やはり帰国してからどっと疲れが出ました。まじで一か月、動けなくなりました。
自分の体力のなさに情けなくなりました。
やたらと甘いものに飢えて、でもいくら食べても甘くないんです。
イランのお菓子に比べたら。おそらく、あのピスタチオやデーツ、薔薇水の
入っていたであろうあの甘さ。イランでは生き返るような甘さ。
あの甘さが恋しくて、しかたありませんでした。
行く直前にイラン料理講習会に行けて、シチュー料理(ホレシュテ)があることが
わかったのも、お腹の弱い私には大収穫でした。
現地では、なるべくこれをリクエストして食べていました。
それからライスとスープ。ピザも美味しかったですね。海賊版のケンタッキーも
美味しかったです。
それで何処へ言ったかというと、念願のマシュハドとヤズド、そしてケルマーンです。
これでやっとヤズドの旅行記も書けます。マシュハドも。
ゴウハルシャードモスクはやはり素晴らしかったです(写真は撮れなかったけど)。
郊外の珍しいハルギルドやファフラージにも行けて、幸せでした。
次は西部、タフテ・スレイマーンとスルターニエとチョガ・ザンビルですね
(でも何時行けることやら)。
★ヤズドでは大変優秀なガイドに出会えて、とても幸運でした。
私が出したリクエストのリストは、たぶん絶対全部は回れないけど、
とりあえず行きたい所を全部書いてみましたという奴で、優先順位を付けて渡しました。
あとは自分の体調と現地の状況によって相談というつもりで。
でも! 全部回ってくれたんです!
しかも風邪をひいて体調の悪い我々の休息もちゃんと入れて!
もう信じられないです!
それから友人に薦められて泊まったヤズドの新しい宿ナシルガーデンホテルも
おすすめです。古い伝統的な貴族の館をホテルにしたとても素敵な所でした。
★10年ぶりのイラン、何が変わっていたかって、やはり女性の服装ですね。
最初に行った時はみんな黒のチャドルでした。
地方でグレーに花柄というのを見たくらい。
スカーフから前髪が垂れるたびに注意されたものです。
二度目には黒のロングコート。イスラミックコートという奴ですね。
数年後に中原さんが行った時はだいぶ色が増えていたそうです。
ダークカラーですが。そしてほんの二、三年前にはなんとコートの丈がミニ!
しかも色鮮やかなものばかりだったそうです!
信じられません。
黒のロングコートを着ていった友人はなんでそんなの着ているんだと、
イラン人に言われたそうです。
実際、行く前に見たBSニュース(BBC)ではなんとピンクのスカーフを巻いただけ。
髪はもろに出ていても平気なようでした。もうびっくりです。
ただ行く直前にまたちょっとうるさくなったそうで、行った時には
みんなダークカラーでした。黒とか紺とか。でも丈は短いまま。
下には若い子はみんなジーパン。スカーフも黒っぽかったです。
色鮮やかな様子が見られなくて残念でした。
私はといえば、最初の時は膝丈の薄手のコートで寒かったので、
二度目の時はひざ下丈のグレーのトレンチコートと、モロッコで買った
ブルーのジュラバ。けっこう受けました。
今回は悩みに悩んで、結局グレーのロングコート。
数年前のバーゲンで見つけた珍しいロング丈。飛行機でやはりなんでそんな
長いの着ているんだと聞かれたくらいでしたが、
それからシリアのダマスカスで見つけたヘジャブ(修道尼のようなやつ)。
マシュハドのレザー廟にはこのおかげで問題なく入れました。
ヤズドではさすがに暑くてインドシルクのロングブラウス(?
膝丈)を着てみたら、
ガイドに問題ないと言われました。でもこれだと朝夕がちょっと寒いんです。
湿度が低いから。一番良かったのはヤズドで買ったロングブラウス。
生地がちょっと厚くて、編み目が荒い奴。朝夕も寒くなくて、昼も涼しい、優れ物でした。
なるほど。やはり現地調達が一番。
そうはいっても、なかなかちょうどいいのって見つからないんですよね。
★イランもとても暑かったですが、湿度がすごく低いので、大変楽でした。
ただ、同じ頃、「薔薇が花盛りで一番いい季節ですよ」といううたい文句に誘われて、
ツアーでスーサに行った友人はあまりの暑さにもうこりごりだと言っていました。
確かにエスファハーンやシーラーズはその時期(5月)いい気候だと思いますが
スーサは別です。あそこは一年のうち八か月は地獄だと言われ、
冬に行くしかない場所だそうです。でもツアーって全部一緒に入れちゃうんですよね。
それでイランに行きたくなくなる人が増えるのはとても哀しいです。
★そうそう。ヤズドでも買ってしまいました。綺麗な文様のタイル!
どんどん増えています。
★最後になりましたが、ぜひご意見などを聞かせてください。手さぐり状態なので。
それでは、だんだん先のことがわからなくなってきていますが、
またお会いできますように。
インシャッラー。
2007年8月
チャイハネ・ひすいろう 18/2007年8月
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