アッサラーム・アレイコム
 ご機嫌、如何でしょうか。本日はお寒いところ、お買い上げ下さり、
または立ち寄ってくださって本当にありがとうございます。
 当方、マイナーなイスラーム文化(建築)のサークルでございます。
以前は歴史のすみっこで細々とやっておりました。
最近はもっぱら旅行で参加させていただいております。
 今回もまた『そうさいこうか』さんのご厚意に甘えて、委託させていただける
ことになり、お邪魔しております。
よろしければどうか、しばし、おつきあい下さいませ。

★まずこの秋、突然の訃報に驚いたのは私だけではないと思います。
まさか米澤氏が…。信じられません。岩田氏の時もショックでしたが。
実は個人的には昔、古本市の初日に行くと必ずお会いしたものでした
(というかお見かけした)。勿論、あちらは覚えていらっしゃらないと思いますが。
実家の土蔵とかアパートの居抜きの話とか、噂や伝説はお聞きしていました。
著書もだいたい持っています。
マンガについてあれほどの知識と構成力、見識を持つ人は他にはいないと思います。
とても悲しいです。夏と冬のお祭りはどうなっていくのでしょう。
これまで続いたのが奇跡だという説もあるくらいですから。
衝撃と不安でいっぱいです。
(すみません。自分でも何を言っているのか、わからなくて…)
  ご冥福をお祈りいたします。

★十月に、ベルリンとロンドンに行ってきました。
「何故ヨーロッパ?」とお思いかも知れませんが、これにはふかーい訳があったのです。
 そもそも最初の予定は九月にイラン。しかも念願のマシュハドとヤズド、
スルターニエとタフテ・スレイマーン。できればケルマーンとバムとマハーンと。
それからゴルガーンとダームガーンとマラーゲと。
という自分らしくない欲張りプラン。だってこれを逃すとイランに行けなくなりそう…
と思い込んだので。本当はカスレ・シーリーンとチョガザンビルにも行きたいの。
でもそんなに沢山はとても無理だから。
 ところが私も連れ合いも九月が急に忙しくなって、ついうっかり一月予定を
ずらしてしまったのです。それがすべての敗因。
なんとラマダーン(断食月)にぶつかってしまったのです。
うううう…。何というお間抜け!
 最初のイランのツアーでラマダーンにぶつかって以来、必ず断食の日程を
調べてから予定を組んでいたのに…どうして?
 というわけで急遽行き先を変更。エジプトやインドも考えたのですが
(インドもラマダーン月は夜間開園がなし!)、止めました。
 紆余曲折あってペルガモン博物館(ベルリン)と大英博物館(ロンドン)のはしごに
決まった次第です。だって行ったことないんですもの。もう久々のヨーロッパ。
 大英博物館も凄かったけど、ペルガモン博物館も凄かった。
久しぶりの欧州で驚いたのは、中東料理の氾濫。ホテルの目の前にシシケバブとか、
スーパーにクスクスやホムスが売っているのです。
移民の増加とエスニックの流行のせいでしょうか。生のミントティーも飲めました。
日本茶もポピュラーになっていました。日本のマンガも本屋にいっぱい。
 ロストバゲッジも体験したし、ヒースローでは靴も脱がされたし、
千年灸がセキュリティに引っ掛かったし。
 帰ってきたら、北朝鮮の核実験で大騒ぎ。でも向こうではイラクのテロの方が
トップニュースでした。
ブレア首相がシリアとイランに協力を求めるべきだと言っていました。

★というわけで冬の新刊は『ペルガモン博物館・中東編』でございます。ぜいぜい。
やっと間に合いました。ギリシア・ローマ側はどこにでも載っているのに、
中東側はイシュタール門以外は知られていないようなので、つい、作ってしまいました。
(今回下調べした時、何もなかったので)
特にイスラーム美術の素晴らしいコレクションは必見です。
 帰国してから自宅の階段でこけて捻挫したり、しつこい風邪を引いたり、
ダウンしてしばらく動けなくて、もう駄目かと思いました。
亜神さん、かわいいムシュフシュをありがとうございました。
中原さん、またまた土壇場で地図をありがとうございました。

★そういう意味では『ペルシア文明展』が来てくれて、せめてもの慰みになりました。
いやあ素晴らしかったですね。有名どころがけっこう来ていて、
日本で見られるなんて嬉しいです。山羊やロバを描いたかわいい彩文土器や
羊頭のリュトン、珍しい大理石の石製容器。カラールダシュトの黄金のライオン装飾杯。
ルリスタン青銅器。ペルセポリスの出土品…。アケメネス朝の工芸品。
中でも黄金のライオンのリュトンや黄金の短剣はやはり見事でした。
 そういえば以前テヘラーンの考古学博物館に行った時、
これらの黄金製品は見かけなかったなあ。やはり主張中だっかのかしら。

★ペルシアといえば、図書館で知らない版の『ペルセポリス』という本を見つけました。
しかも伝記のコーナー。しかも中はマンガ。
え? 何これ? 自伝マンガでした。子供の頃イラン革命が起きて、
欧州に避難した少女の自伝。もう暗くて重くて息の詰まるような体験談。
でもイラン人の見方がよくわかって面白い。
(ただこの人の家族は旧体制側だったので、そっちの考え方がわかる)

★ついにEOS3を買ってしまいました。重い! でもシャッターが速い!
感動的です。さっそく『愛馬の日』に馬事公苑でカメラテスト。
夏に行った相馬の方々が特別出演。もう一度、あの騎馬姿を見ることができました。
それからアンダルシア馬術。本物を見るのははじめて。素敵でした。
 ほとんどタイムラグがなくシャッターが切れる。凄い! 写真の出来も素晴らしい。
さすがEOS3。でも重かった。

★実はついにデジカメも買ってしまいました。ニコンのクールピクス3100。
中古で6000円だったのです。イランで使おうと思って買ったのに…。
いやあ随分進化してますねえ。

★キャノンのフィッシュアイ。ついにいいのを見つけました(勿論中古で)。
以前一度見かけた時はあまり状態がよくなかったので、やめました。
キャノンは初心者向きのレンズはよく出るのですが、こういう特殊レンズは
なかなか出ないのです。これでやっとラインナップが揃ったので、旅行に使えます。
 そして実はニコンF80も買ってしまいました(勿論中古で)。
安くなっていたので。軽くてシャッターが柔らかいんです。
すっかり気に入ってしまいました。

★ところで。新宿に文化学園というファッション関係の専門学校があって、
そこに『服飾博物館』というのがありますが、ここはとんでもない博物館でした。
 数年前に中東の服装を調べに行って、貴重な資料を分けていただき、
昨年、イスラーム圏の服飾展をやったので見てきましたが、大変なものでした。
 今回、学芸員の方にお話を聞く機会があってさらに驚きました。
ここには実に膨大なコレクションが揃っていて、ほぼ世界中の衣裳を集めています。
貴重な中東の衣裳も充実しており、感激しました。

★高田馬場にある早稲田大学の中にも面白い博物館がありました。
『演劇博物館』。これがまた只者ではないんです。
外観はシェイクスピア当時のフォーチューン座を復元。
内部はエリザベス朝時代をイメージして再現。
所蔵品は坪内逍遙氏のコレクションを母体とした寄贈品ですが、それが半端じゃない。
日本の古代から現代まで。シェイクスピア所縁のもの。中国の京劇、アジアのもの…。
こちらも膨大なコレクションを誇っています。

★前回もちょっと触れた『世界のタイル博物館』(名古屋郊外)ですが、
ここにはあの幻のラスター彩タイルや世界最古のモザイク模様・
古代メソポタミアのウルの神殿を飾ったのと同じものがあるんです。
それだけではなく、イランの謎の遺跡ジーヴィーエやアッシリアの彩色煉瓦、
世界最古のファイアンスタイル(エジプト)、アルハンブラのタイル(?)。
それからスペイン・ポルトガル・オランダ・イギリス・中国、
そして日本の珍しい、美しいタイルが一杯!

★やはり前回紹介した浜松市の『楽器博物館』も侮れません。
なんと展示にガラスケースがない! 写真が撮り放題!
体験ルームでは思い切り鳴らせる! 実演もよくやる! いいなあ。浜松に住みたい。

★岩手は北上の『みちのく民俗村』にもまた行ってきました。
古民家もやっぱり面白いけど、『北上市博物館』
(実はこの敷地に『みちのく民俗村』がある)にずらりと並んだ縄文土器も壮観でした。
 縄文土器の模様の作り方なんてマニアックなことを、さり気なく体験できるコーナーとか、
勾玉を作る講座もやっているそうです。いいなあ。
 行きそこなったけど、近くにはストーンサークル(樺山遺跡)や古墳群(江釣子)も
あるかと思えば、裏手の山一帯には平泉より二〇〇年ほど早く仏教文化が
花開いていた痕跡(極楽寺跡)もあったりして、なかなか侮れません。
 またゆっくり行きたい所です。

★これらだけでなく、全国五九館の博物館を紹介した本が出ました。
私も少しだけ手伝わせていただきました。
『日本全国おもしろユニーク博物館・記念館』(新人物往来社) 気が向いたら、
どこかで覗いてみてくださいませ。

★そういえば。ミホミュージアムに行ったついでに、安土に寄ってきました。
セビリア万博に出ていた安土城天守閣の復元をやっと見ることができました。
 それから安土城の復元模型も。

★それから京都に寄って、加茂神社と晴明神社に行ってきました。
また龍グッズを買いこんでしまいましたよ。
 いやあ、京都は好きな龍グッズが一杯あって、嬉しい悲鳴をあげてしまいました。

★それに奈良国立博物館。ミュージアムショップが充実しすぎていて
困りました(お金が…)。でも嬉しいです。
帰りに埴輪の馬の人形も見つけて、すっかり貧乏になって帰ってきました。

★さらにタイル博物館のついでに名古屋の洋館めぐりをしてきました。
名古屋の友人が案内してくれて。なんて趣味が同じ人なんだ!
徳川美術館と古川美術館も。古川美術館の別館のお屋敷がとても素敵でした。
さすが天下人の地元。今度は明治村にも行きたいです。

★ミュージアムショップといえば『ペルシア文明展』も珍しくグッズが充実していて
嬉しかったです。

★最近、ドラマにはまっています。『電車男』TV版、面白かったです。
小説が話題になって映画になっても、タイトルがあまりにもオタクっぽくて
見る気になれなかったのですが(実は最初、電車オタクの話かと思っていました)。
オープニングが昔の「DAICON」(大阪でやったSF大会)で作られたアニメを
真似しているというので、友人が持ってきて見せてくれたのがはじまりでした。
 昔のオリジナルの方がよくできているというのも情けないものがありますが、
ドラマは良く出来ていました。後で小説も読んでみたり、映画版も見てみましたが、
個人的にはTV版の方が良かったです。

★それから『医龍』。TVドラマが面白くて原作のマンガを読んだら、
こちらはマンガの方が面白かった

★『PS羅生門』(館ひろしのファンなので)はTVドラマの方。

★話題の『のだめカンタービレ』は、実は最初からリアルタイムでずっと読んでいました。
TVドラマはまったく期待していなくて、一話でやはりがっかり。
でも気を取り直して3話を見たら、竹中直人のぶっ飛んだ演技に衝撃を受けて、
つい見てしまっています。

★マンガでは今頃『ハガレン』にはまり、『デスノート』から
今頃『ヒカルの碁』を読んでいます。

★今頃といえば、仲村佳樹氏にはまってしまいました。『MVPは譲れない』シリーズから
『東京クレイジーパラダイス』『スキップビート』と一気でした。

★あと、河あきら氏もいいんです。『ご町内のミナさん』で改めてハマりました。
『ワンダー』のために某連載雑誌を買っている私って…。

★最後になりましたが、ぜひご意見などを聞かせてください。手さぐり状態なので。
それでは、だんだん先のことがわからなくなってきていますが、
またお会いできますように。インシャッラー。
                                        二〇〇六年十二月

    チャイハネ・ひすいろう 17/2006年12月
     










































 



 























































































































































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