アッサラーム・アレイコム!
 本日はお暑いところ、お買上げ下さり、または立ち寄ってくださって
本当にありがとうございます。当方、超ドマイナーなイスラーム・サークルでございます。
 でも今回は、ちょっと変わって、舞台はイギリスものでございます。
ただ、巻末に中東旅行のトラブルネタ話を盛り込んでおります。
 どうか、しばし、おつきあい下さいまし。

★いやあ、勢いとは怖いものです。
いつのまにか、また2冊出すハメになってしまいました。
 8巻の『最後の白薔薇』と別巻の『ブリタニア遊記』です。ははは…。
(何を血迷っているのだろう)
 イラストの亜神さん、景山さん、今回も気合の入った絵をありがとうございます。
感涙ものです。二人ともキャサリンが、かっこいい!
いたずらっぽいウォーベックも、いい感じです。表紙の聖マイケル山と口絵の
スターリング城は復元想像図です。本当は全然違うかもしれませんが、資料が
ないのでご容赦を。でも、色々な本から、こうだったんじゃないかって想像するの
って楽しいですよね。
 聖マイケル山や旅行記の表紙ランズエンドやカットは、私のヘタクソな写真を
元にして描き起こしていただいたのですが、もう写真とは似ても似つかぬ素晴らしい
出来です。興奮しています。
(当時はまだ一眼レフなんか持っていなくて、ハーフサイズのバカチョン(オリンパスPEN )
だったし、おまけに天気はずーっと悪くて風も強くて、ブレまくり、ひどい出来でした)
 それから、またまた凝った地図と面倒臭い系図、そして実に素敵な英字のタイトルを
担当して下さった『そうさいこうか』の中原さん、ほんとうにありがとうございました。
一番大変だったのは、ブルゴーニュ公国の版図でした。都もなかなかわからなくて、
苦労しました。資料が後手後手で、結局描き直させてしまいました。
ほんとうに手間をかけさせて、すみませんでした。

★さて、『最後の白薔薇』も直すまいと思っていたのに、気がついたら5Pも
増えてしまい、あわてて字数・行間を詰めて、4P増におさえたところです。
 これははじめて行ったイギリス旅行の第二の目的地・聖マイケル山を舞台にした
話を考えていたのが発端でした。
 それがどこをどう、間違ったのか、いつの間にか、スコットランドの話になって
しまって……。聖マイケル山は色々な伝説を秘めた島ですが、とうして
パーキン・ウォーベックでひっかかってしまったのか…。気がつくと、また15世紀末。
(不思議とこの時代にひっかかってしまうのですよね)
 パーキン・ウォーベックの正体については、私のフィクションです。
でも、つい最近まで、キャサリンがここに来たという伝説(?)が本当にあったことを
知らなくて、びっくりしました。
 ただ、これは私の力不足で、こんな中途半端な形にしかならなかったのが、残念です。
いつか、ちゃんと長編に仕上げたいと思っています。
 この話を書いたのはもう○年前のことですが、スコットランドの資料、
特にスターリング城の資料がなくて、ホントーに苦労しました。
(いつもこうです。どうして日本語の資料のないマイナーなところばっかり…)
 今回、イラストや地図を起こしてもらうために、あらためて探したら、少しは増えて
いました。ましてや『日本スコットランド協会』なるものまで、あるんですね。
 スターリング城の写真や資料は、こちらでお借りしました。大変助かりました。
本当にありがとうございました。

★巻末の『トラブル・カプリチオーソ』は今までの旅行のトラブル話です。
主に中東ですが。よくもまあ、と我ながら感心しています。これでも削ったんですよ。

★もう1冊の『ブリタニア遊記−ペンサンス』は、12年も前に書いたものを、改稿しました。
はじめて行ったイギリス旅行のエクセターからコーンウォールのランズエンド・
聖マイケル山までを書いたものです。これはなんというか、
『最後の白薔薇』の別冊みたいなものです。
 もう随分昔のものだし、コーンウォールについては、井村君江さんがその後、
本を出されたので、もういいや−と思っていたのですが、よく見渡してみたら、
その本以外、誰も書いていないんですね。相変わらず、マイナーな所のようなので、
もう1冊くらい、入門編があってもいいんじゃないかな、って気になった次第です。         

『ブリタニア遊記』は実は6巻あって、(他に『まぼろしの白馬』『バース』1・2
『エクセター』『ウィンチェスター』)「ペンサンス」は4巻目です。(『まぼろしの白馬』は
カットが何点もあるので、そのうちまた、血迷って出すかもしれません)

★1年て、あっという間ですね。去年は夏に大事な人が亡くなって、随分落ち込みました。
それから、無事行ってきましたチュニジア!
(乗り換えのパリでのトラブルは巻末エッセイをお読みください)
 さらに年末に急遽、引っ越しました。(大家さんとのトラブル話。これも一冊、書けるかも)
 おまけに5月にシリアなんぞにも、行ってきてしまいました。
(ホントは秋か来年の予定が、急に繰り上がって−でもこれで当分、お預けだ)

★チュニジアはとっても優しい国でした。(イランやシリア、トルコもそうだけど)
 比較的豊かで、そんなにあくせくしていなくて、でも実はとても商売上手。
砂漠の真ん中まで鉄道を通して、一日で行けて、砂漠の真ん中に豪華な5つ星の
ホテルを建てる。すごいです。外国人が何を要求しているか、よく理解して、実行する。
『スター・ウォーズ』のロケ地も観光スポットにしてしまう。
砂漠の生活を体験できるツアーもある。
 砂漠のハイウェイも、ちゃんと道の両脇にユーカリの木を植えて、木陰を確保している。
各地の民族衣装とか風俗の博物館もある。おみやげにしても、たとえば、
チャイグラスもいろんな種類を取り揃えている。
 料理もイタリア料理やフランス料理の店が多いので、心配ない。
 ヨーロッパ、特にドイツ人に人気の観光地だというのが、頷ける。
 でも一番おいしかったのは、お魚でした。

★しかしシリア人のやさしさはまた、格別でした。
 なんでこんなに親切なの? 見知らぬ外国人(日本人だから?)に、通りすがりの人が、
挨拶をしてくれる。とても大切な客のように。またはまるで、昔からよく知っている
古い友人か親戚のように。嬉しそうな笑顔で「ウェルカム」って。
 もう慣れたけど、5年前はホント、びっくりしました。
 トルコ人も親切で、同じアジア人という親近感もあるらしい。
 イラン人も品がよく、誇りがあって、よく似たところがあると感じた。
 でもシリア人はまた別なのだ。(日本赤軍のおかげって話、本当?)
 とにかくとっても居心地がいい。時間の流れが止まっているようだ。
ずるずると時を忘れてしまう龍宮城みたい。
 前半がちょっとハードで途中、お腹をこわしたけど。大丈夫。お粥が食べられたから。
 各地で一生懸命、史跡の修復をしている。かんばって。

★行く前にレバノンで騒動が起こった。大丈夫だろうか? けっこう不安だった。
 その上、ぞっとしたのは、シリアから帰ってきて1週間後にアサド大統領が
亡くなったこと! 重体説は耳にしていたので、急いで行ってきたのですが、
まさか…でした。
 本当に背筋が寒くなりました。「いやあ、ホントに危なかったんだ!」
(でもちょっとだけ、残念だと思うのは、不謹慎? 
 だってイランイスラーム革命の時の松本清張みたいな体験ができたかも
しれないなって)
 なるべく早く、こちらの旅行記も出したいです。

★ところで、GWにグアテマラで日本人ツアー客が殺されるという事件がありましたね。
その直後にバスジャックとか色々事件が起きて、真相がよくわからないままに、
新聞やTVから忘れ去られてしまったようですが。
 それなのに、後日の新聞でやたらと『旅行者の責任』で済ませようとしている節が
ありました。なんか不審に思って、この件について、グアテマラに2年ほど住んでいた
友人に聞いてみました。
「ヘンだよ。あそこはそんなに奥地じゃないよ。年に一度、大きなお祭りがあって、
外国人が沢山来る所だもの。外国人に慣れていないってことはない。
人攫いも昔から言われていて、今更という話ではない。現地の新聞と、目撃者の話も
食い違う。なんかおかしいんだよね。内戦後、政府が各地に自警団を作らせて、
そのせいでリンチが多いというのは聞いたことがあるけど。誰か煽動した人間がいるん
じゃないかって感じ。最初に叫んだ人も行方不明だし。噂だけど、どうも政府は外国人に
先住民と接触して欲しくない節があるって。人権問題を騒がれたくないから。それから
ピノチェトみたいに前大統領を告訴しようという外国の動きがあって、それに対する脅し
じゃないかという噂もあるって」
 その後、その友人から、メールで受け取ったという『その後』のレポートを見せて
もらいました。書いたのは、グアテマラを研究しているという大学の先生です。
別紙にコピーしましたので、興味のある方は読んでみてくださいね。
 その友人の感想は、以下のようなものでした。
「ますます謎が深まったって感じ。だって普通、向こうの人って東洋人の区別が
つかないよ。で、たいてい東洋人を見ると、まず『チノ(中国人)』て言うんだ。
でもこれは、最初から『日本人だろ』って確認しているでしょ。おかしいよ。普通じゃない」
 なんか、映画か小説みたいな事件ですね。ちょっと怖いです。
 そりゃあ私だって、中東に限らず、旅行する時は覚悟して行きますよ。
現地では気をつけるし。町中でむやみとカメラを出さないとか。でも今回の事件は、
どうもそういう『旅行者側の不注意』というだけでは片付けられないような気もします。

★映画といえば、突然ですが(映画じゃないけど)『仮面ライダー・クウガ』にハマって
います。ついつい、見てしまいます。いいですねえ。真面目に、一生懸命作っているのが、
よくわかります。凝りすぎるほどのカメラワーク、演出、がんばっています。古代文字や
敵の言語。そこまでやるか? 子供が怖がって泣くそうですが、私も子供の頃、
『ウルトラQ』とか『河童の三平』とか『サンダ対ガイラ』って怖かったですよ。
本気で作っているものって、怖いんですよね、きっと。

★今は、暗礁に乗り上げているイスラエル・パレスチナ和平交渉が心配です。
最悪の決裂の場合、再び中東戦争なんてことにならないでしょうね。
(そうなると、また中東に行けなくなってしまう) クリントンさん、がんばってくださいね。

 ではまた、いつかお会いできますように。
 インシャッラー。
                                          2000. 8.

    チャイハネ・ひすいろう 4/2000年8月
     










































 



 







































































































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