アッサラーム・アレイコム

★今回も沢山の方に助けていただきました。
表紙・イラストの亜神氏、影山さん、いつも素晴らしい絵をありがとうございます。
迫力満点、ムード 300点、気合入りまくり! 今回も絶好調ですね。
 それから美しいペルシア文字を描いてくださった中村先生、感謝しております。
あの妖しい曲線が、たまりません。
 今回も手伝ってくれた〔んZ〕さん、本当にありがとうございました。
今回はカットも描いてくれました。壁画の怪獣が、とっても愛らしいです!
 そして新たに、地図や日本語タイトル、飾り罫を描いてくださった
『そうさいこうか』の中原さん、なんとお礼を言ったらよいかわかりません。
なんて丁寧な地図! 怪獣がかわいい!
文様の飾り罫もほんと綺麗に作ってくれました。
皆さん、本当にありがとうございました。

★さて、P27の情景は、本文P7でモーロ人が最初に登場する場所です。
日本語だと恥ずかしいので、スペイン語に訳してみました。

★・『アルハンブラ 月の宴』・は、実は一番最初に書いたアルハンブラ物でなんです。
並河万里氏の写真集を図書館で見つけて、そしてW.アーヴィングの本を読んで
(何故か当時すでに古本屋で買って持っていた)、行ったこともないのに、
想像だけで書いたもの。写真集は何度も借りてコピーしたり、写真撮ったり、その後、
ついに古本屋で見つけました。
 アルハンブラにも念願かなって、行ってきて、帰ってきて書き直した。
この時ラストが変わってしまった。何故? どうして?
最初はちゃんと栄とハッピーエンドの話だったのに……。どうしてこうなってしまったの?
今回、また多少直して、一層、アブナイ方向に拍車がかかってしまいました。
 おっかしいなあ……??

★・再録『湾岸戦争1991』・は、当時、某旅行雑誌に書いたものです。
つい最近まで忘れていたのですが、最近またきな臭くなってきて、未だに
イラクへの攻撃が行われているのを見て、中村先生の洞察力の鋭さに驚かされました。
大変興味深いので再録に踏み切りました。

★尚、後半の古代メソポタミア地方の解説は、新しい資料が手元にないので、
情報が古いかもしれません。
昨今、考古学の発掘はどんどん歴史を塗り替えていますから。
何とぞ、その点はご了承下さいませ。
 なにせ、この記事を書いた時は時間がなくて、手元にあったのは昔
集めた古い資料だけでした。
それでも、最初の原稿はホントはこの10倍くらいの長さでした。
結局それは見つからなくて、加筆部分はほとんど、当時ページ数が足りなくて
カットした部分で残っていたものを復活させただけに終わりました。
 本当は、ちゃんと新しい資料に目を通して、書き直したかったのですが。
時間がなくて、これをやると、地獄をみるので…。諦めました。いい加減ですみません。

★でも今回、資料を探して自分の本棚をのぞいて、改めて呆れたのは、
我ながら、本当に昔から好きだったんだなということです。
確か、『メソポタミア文明展』とかいうカタログがあったのは、記憶していたのだが、
まさかそれが、イラク国立博物館所蔵品の日本初の公開時のものと、
2回目のものだとは、今まで全く、気がつきませんでした。
勿論、年齢的に公開当時に行っているはずはなく、古本屋で手に入れたものだが、
何時買ったのか、記憶もなく、何時からか、そこにあった。
そんな本達が、最近になって、すごく役に立っているのです。不思議な気分です。

★それから実は、・イラクのドイツ語のガイドブック・がウチにはあります。
これについては思い出があって、もう10年以上前、くされ縁の友人が、ある日突然、
「イランに行こう」と言いだしたのです。
 まあ、そんな所、興味を持つのは私くらいだというのは、否定しません。
しかし当時は私も、イランとイラクの区別がついていませんでした。
隣同士の国だというのは、知っていましたが。
それで、イランの資料を探して、たまたま通りかかったのが、今は無き
イラク航空のオフィスだったのです。勿論、その誘惑にさからえるわけがなく、
私はフラフラと、中に入っていきました。そこで何かパンフレットはないかと尋ねたら、
出てきたのがこれだった。
日本語のものはなく、しかしカラー写真が一杯載っていたので、読めなくてもいいやと、
とりあえず貰ってきてしまった。結局、イランのツアーも見つからなくて、当時は何故か、
イラクのツアーしかなかった(探し方が悪かったのかも)。計画はポシャった。
 まさかその後、自分でイランに行くことになろうとは、その時夢にも思わなかった。
あの時行かれたイラクが行かれなくなって、見つからなかったイランに
今は行かれるようになった。
不思議なものだ。でも私は、いまだにドイツ語は読めない。

★イランのガイドブックの仕事にしても、昔から衝動的に古本屋で買い集めてきたが、
今まで本棚で埃をかぶっていた本や、ろくに読めもしないのに、旅行先で買ってきた
洋書が、この時のために集まったかのように、役に立った。
 でも日本語の本は圧倒的に少ないので、結局英語の本に手を出す羽目になった。
最初のうちは一人で、泣きながら悪戦苦闘していたが、そのうち、翻訳のできる友人が
助けてくれるようになった。彼女が忙しくてできなくなると、別の友人(外資系の会社で
仕事をしていた)が、助けてくれた。またその人が時間がなくなると、なんと、また
別の友人の親戚(元スチュワーデスで翻訳の勉強中)が現れた。
もう実にタイミングよくである。
これはもう、なんとしてでも、私にやれってことなのね。わかったわよ。
でも本当に助かりました。運とか、縁て、あるものなんだなあ、と実感したこの頃でした。

★エスファハーンに始まって、シーラーズ、ペルセポリス、ヤズド、ケルマーン、
マシュハド、テヘラーン、コム、カーシャーン、タブリーズ、カズヴィーン、スルターニエ…
とようやく終わったところです。とりあえず、一段落。
まだ南西部や東南部、カスピ海沿岸、ペルシア湾岸が残っているが、これは
第二段で出す予定とか。しかし本当に出るんだろうか。という不安が、正直なところ。

★いやあしかし、ついに出ましたねえ、『地球の歩き方』。
昨年暮れには、河出書房新社からも『図説ペルシア』という本が出ました。
と思ったら、イラン観光局なんてものまで、何時のまにか
出来たというではありませんか。随分、変わりましたねえ。

★といっていたら、今頃になって、ヘンなビデオテープが出てきた。
『現代ジャーナル イラン−歴史の秘境を行く』なんてものが。なんだこれは。
いつ録ったんだろう。見てみてびっくりした。タフテ・スレイマーン・やスルターニエの
オルジェイトウ廟、アラムートの城跡が出てくるではないか。
どうも『大モンゴル』の撮影の時のものらしい。そしてあの本田實信先生が。
本田先生といえば、暗殺教団の山城の現地調査を行った人だ。
ラシード・ウッディーンの『集史』も研究している。
アラムートの城跡までカメラが行ったのにも驚いたが、一番感激したのは、
タフテ・スレイマーンの映像だ。
ここは実にマイナーな場所なので、ほとんど図版もないのだ。きゃあ!
思わず絶叫してしまいましたよ。

★本田先生、それからもう一人、ラシード・ウッディーンの『集史』を研究している
杉山先生、絶対、翻訳本、出してくださいね。お願いします。
 それから、イブン・バトゥータの『大旅行記』の全訳がとうとう刊行開始されました。
待っていたんです。家島彦一先生、がんばって完結してくださいね。

★突然ですが、『ガメラ』を観ました。「1」「2」「3」と一気に。
前から「『ガメラ』、面白いよ」って言われていたのに、今まで観なかった自分を
呪っています。話が続いているというので、「3」を観に行く前にあわてて「1」と「2」を
ビデオで観ました。「2」なんか、友人が限定発売のレーザーディスクを解説シナリオと
一緒に貸してくれました。
最初に思ったことは、こんな面白い日本映画、久しぶりってこと。
なんだ、やればできるじゃん。
『ゴジラ』より全然、いいじゃない。特撮といい、テンポといい、音楽といい、設定といい、
ホント、よくできている。世界観の広がりを感じました。
政府の対応やニュースが、とても丁寧に段階を踏んでいて、リアリティがあった。
普通、こういう部分て、なおざりなんですよね。
「3」では、ガメラがなりふり構わずギャオスと闘って、そのために人間にまで被害が
及ぶ場面。渋谷の町が壊れて、人が死ぬシーン。
これって今までは「お約束」で決して描かれなかった場面です。
怪獣映画の「タブー」を破った。やっぱり凄いです。
ここに一番、お金をかけたなって思いました。その分、後の特撮のシーンがお金が
足りなくなって、ちょっと悲しかったけど。
被害者対策本部のテントの場面などは、サリン事件や阪神大震災を連想しました。
難しい設定や情景をよくも逃げずに、しっかり見据えて進めているなあ、と感心しました。
大迫元刑事のガメラに翻弄された人生、斉藤審議官(この人、ゼッタイ恐竜オタクだ)の
異様な迫力、好きです。
ギャオスを研究しつづけている長峰や、ガメラを憎んでいる綾奈の、力のある
声と瞳が好き。迫力では2人に負けるけど、浅黄はやさしい雰囲気がよかった。
残念だったのは、人間ドラマの部分。一番大事な役のはずの男の子。
それからイリスと綾奈の交流が、中途半端かな。
あんなに求めあっていたのに、最後でいきなり「助けて」ってのは、あんまりなんじゃない?
あれじゃあ、イリスが可哀相。
結局特撮の部分で助けられていますねえ。いやあ、本当に特撮が素晴らしい。
アングルといい、効果といい、絶品です。アメリカに引けを取らないじゃないですか。
ラストの迫り来るギャオスに立ち向かうガメラの雄姿には、もう泣けてきちゃいましたよ。
戦士だねえ。いや武士だねえ。男の美学ってやつですか。ヤクザ映画みたい。
でもいいです。

★設定も、活かすも殺すも監督次第ってところ、ありますよねえ。
最近の『ゴジラ』を観て、つくづく実感しました。
決して悪い話じゃないのに、テンポが悪くて、演出がひどくて、音楽が合って
いないために、悲惨な出来になってしまって。
逆に話がどんなに陳腐でも、演出で見せてしまう作品というのもあります。
たとえば、スチーブン・セガールの出世作となった映画『沈黙の戦艦』Under siege とかね。
とにかく『ガメラ』よかったです。ほんと。

★『スターウォーズ・エピソード1』も意外と面白かった。
前評判が酷くて、とにかくつまらないと聞いていたのに、私は以前の『スターウォーズ』
よりも面白いと思った。前の『スターウォーズ』は正直いってそれほど面白いとは
思わなかったし、そんなに好きではなかった。でも今回のは好き。
特撮もすごいけど、話が楽しかった。マスターがかっこよかった。
だいたい私が好きな話って複雑な話が多いんです。今回もそうだったのかな。
いやあしかし〔フォース〕の秘密が『火の鳥』だとは思わなかったなあ。
そうか、オビ・ワン君、君はアナキンを育て間違ったんだね。

★カルロス・サウラ監督『タンゴ』もよかった。面白くなかったという人もいたけど、
確かに大衆向けをわざと外したような構成だった。
でも私はわりと好き、こういうマニアックなの。それに音楽と踊りはサイコーでした!

★早いもので、気がついたらもう4回目のコミケです。
1回きりのつもりだったのに、なんでこうなったかというと、はっきり言って本が売れた
からです。はい。
イスラーム好きの人が、こんなにいるとは、ほんと、意外でした。
手に取ってくれた人、買ってくれた皆さん、手紙をくれた方、
本当にありがとうございます。おかげさまで・・巻は再販本も売り切れ、
3版目のコピー本です。
信じられないくらいです。こんな嬉しいことはありません。

★このところ、私事でガタガタが続いて、厄年と天中殺がまとめて来たような状況
ですが、もしうまく行けば、9月には3年越しの念願のチュニジア
(ジルヤーブの舞台の地)に行ってきます。
では次は未定ですが、いつかまたお会いできますように。
インシャッラー

                                           1999. 8

    チャイハネ・ひすいろう 3/1999年8月
     










































 



 









































































































































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