さて、この度、友人にそそのかされて、『翡翠楼』という小冊子なぞを作ってしまいました。
『グラナダ落城』
『アベンセラッヘ家の虐殺』
『ジルヤーブ』
 イスラーム歴史ものという、おそらく日本では誰も手を出す気にもならなかった、
マイナーも超ド級のマイナーなもの(外国ではそうでもない)に、
どうして、こんなにハマってしまったのか、
自分でもわかりません。

 このままでは、一生、日の目を見ないまま終わるのではないかという、
限りなくマイナーな話を、ひたすら書き続けていた私に、
ある日、友人が情けをかけてくれました。
一肌も二肌も脱いでくれて、本まで作ってくれたのです。
それが完売した初版のコピー本。これはその改訂オフセット版というわけです。
(現在はコピー再販版)

 長年、私の人生を狂わせた元凶が、ここにあります。
 そもそも、私に道を誤らせたのは、スペインはグラナダのアルハンブラ宮殿でした。
それまでは、もう少しまっとうなもの(?)を書いていたのに、一瞬にして、
奈落の底に引きずり込まれたようなものです。
底知れないイスラーム幻想の迷宮の森は、まだまだ深く、
いまだに出口が見つかりません。
どんどん深みにはまっていくような気もするし、底無し沼かという気もします。

 お見苦しい点ばかりとは思いますが、少しでもお付き合いくだされば、うれしいです。
よろしければ感想など聞かせてください。ぜひ、お願いします。
                              
                                                 草々
                                           一九九七年八月

    チャイハネ・ひすいろう 0/ 1997年8月
     






























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